Author

菅原 伸昭

NOBUAKI SUGAHARA

私たちは、営業や事業の中にまだ見えていない「余地」を見つけ、それを経営と現場の判断につなげることに取り組んでいます。

キーエンスをはじめとする多くの製造業で、日本、中国、アメリカという異なる市場の営業・事業運営に携わる中で、同じ会社、同じ製品であっても、成果を生む場所は市場によって大きく変わることを見てきました。

ある市場では競合からシェアを奪うことが重要になり、ある市場では引き合いを確実に商談へつなげることが重要になる。価格に余地がある事業もあれば、顧客構成や製品構成そのものに大きな可能性が残っている事業もあります。

さらに、事業戦略や営業改革の立場から多くの企業を見る中で、経営が判断できるのは、基本的に「見えているもの」だけだという課題にも向き合ってきました。

すでに存在する商談、売上、活動件数は管理できます。しかし、まだ案件になっていない顧客、競合が押さえている設備、十分に提案できていない製品、取り切れていない価格、営業担当者が使えていない時間などは、存在していても見えなければ経営資源の配分対象になりません。

私たちは、こうした「まだ実現していない可能性」を余地と呼んでいます。

余地は、単なる営業アイデアではありません。

顧客余地、製品余地、競合攻略余地、価格余地、プロセス余地、人材余地などを定義し、データとして捉えることで、これまで個人の経験や勘の中にあった営業可能性を、組織として扱えるようにする考え方です。

そして今、AIによって営業システムの作り方そのものが大きく変わり始めています。

従来のように、要件を固め、長い時間をかけてシステムを作るのではなく、現場の声を聞きながら、その場で仮説を形にし、翌日には使える形に変え、実際の利用からさらに改良していく。分析、業務設計、システム開発、AI活用が一つの流れになりつつあります。

私たちは、この新しい方法を使って、SFAや分析システム、AIによる次の行動提案までを実際の営業現場に組み込みながら改善しています。

戦略、営業、データ、システム、AIを別々のものとして扱うのではなく、一つの循環としてつなぐ。

見えていなかった余地を見えるようにし、最新の技術を使って、会社が継続的に発見し、判断し、行動できる仕組みに変える。

それが、私たちが取り組んでいることです。

Career

株式会社キーエンス

  • 中国現地法人責任者(総経理)
  • アメリカ現地法人責任者(President)

日本・中国・アメリカのそれぞれで営業組織を率い、市場によって「勝ち方」が変わることを現場で確認しました。

THK株式会社

  • 執行役員 事業戦略本部長

事業戦略の側から、営業活動をどこに向けるかという配分の問題に取り組みました。

株式会社オイラーインターナショナル

  • 代表

製造業を中心として、営業・事業に潜む「余地」を可視化し、経営判断と現場の行動につなげる仕組みを開発しています。

AIを活用し、現場の声を短いサイクルでシステムに反映しながら、分析・SFA・行動提案までを一体で構築しています。

あわせて、マルチエージェント・シミュレーションを用いて、組織の行動や文化がどのように生まれ、変化するかを研究しています。

Education

慶應義塾大学大学院経営管理研究科

経営学修士(MBA)

余地について商談ではなく、余地を管理する。