The Other Twenty
書き下せる八割と、書き下せない二割
AIによって、これまで長い時間をかけて行っていた仕事の多くが、少人数で扱えるようになった。ただし、全部ではない。
業務を整理する。指標を定義する。会議の型をつくる。組織の状態を可視化する。異常や停滞を検出する。次に見るべき対象を絞る。こうした部分は方法論として書き下せるし、AIに載せた方が確実に速い。感覚的には、仕事の八割程度は今後ますます再現可能になっていく。
しかし、残る二割がある。想定外の反応が返ってきたときに、それをどう解釈するか。本当に例外なのか、単なる抵抗なのか。本人が言っている理由が本当の理由なのか。今ここで押すべきなのか、待つべきなのか。
書き下せるのは知識で、議論できるのは判断である
浅さが露呈するのは、資料を出す瞬間ではない。想定していなかった反応が返ってきた瞬間である。八割を書き下しても、その瞬間には効かない。
だから、今やるべきことは理論化ではなく判断の記録だと考えている。何が起きたか。誰が何を言ったか。自分はどうしたか。その時点で何が起きると予測したか。何が起きたら判断を変えるつもりだったか。そして、後から実際に何が起きたか。
予測を先に残しておけば、結果を見た後に記憶を書き換えることを防げる。AIは記録されたものしか学べないので、人よりも記録の欠落に弱い。順序としては、AIを育てるために、まず対話を記録するが正しい。
解釈は後でよい。事例が十分にたまってから、初めて共通する型を取り出せばよい。
本ノートは、実際の製造業向け営業基盤の導入プロジェクトを題材にした議論をもとに構成しています。 顧客企業を特定しうる情報は含みません。
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07 ── AIによって初めて実現できた、開発スタイル。